悪性(読み)アクショウ

デジタル大辞泉 「悪性」の意味・読み・例文・類語

あく‐しょう〔‐シヤウ〕【悪性】

[名・形動]悪い性質たちのよくないこと。また、そのさま。特に、酒色にふけりたがる性質などをいう。
「―な男を、此の内には一日もならぬ」〈浮・禁短気・四〉
[類語]悪辣奸悪邪悪奸佞陰険性悪俗悪凶悪極悪悪い罪悪悪徳背徳悪行悪事悪逆巨悪諸悪暴悪卑劣陋劣ろうれつ狡猾こうかつよこしまさがない腹黒い腹汚い悪賢いずる賢い小賢しいずるいこすいこすっからいあくどいさかしいさかしら老獪

あく‐せい【悪性】

たちが悪いこと。特に、病気などの性質が悪く、治療処置が困難なこと。「悪性風邪」⇔良性

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「悪性」の意味・読み・例文・類語

あく‐せい【悪性】

〘名〙 (形動)
① 生まれつきの悪いこと。性質の悪いこと。〔世説新語‐忿狷〕
② (事物の)質の悪いこと。価値の低いこと。
※公議所日誌‐九・明治二年(1869)四月「新旧政府にて造り出せし悪性の貨幣而已ならず」
③ 病気などのたちの悪いこと。⇔良性
※病学通論(1849)三「病性区別 重病〈略〉軽病〈略〉善性病〈略〉悪性病〈略〉頑性病」
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉八「頗る悪性の痙攣病にして」
[語誌]「悪性」は「性」を呉音で読むアクショウが仏語由来の語として主に使われていたが、蘭学医書の訳語として漢音読みのアクセイが用いられてから、「良性」の対義語として一般に使われるようになった。

あく‐しょう ‥シャウ【悪性】

〘名〙
① 仏語。人の性の三つの種類、三性(さんしょう)(善性・悪性・無記性)の一つ。貪(むさぼ)りなど、悪心、および悪心がおこした一切の悪の行為
三帖和讚(1248‐60頃)正像末「悪性さらにやめがたし」 〔八十華厳経‐五八〕
② (形動) (━する) 悪い性質。特に、身持ちの悪いこと。酒色にふけったり浮気をしたりすることや、そのような性質・ありさま。また、その人などをいう。
評判記・役者評判蚰蜒(1674)藤田皆之丞「むねのあくせうの血をくるはせ、人のかねをばすい膏薬(かうやく)
[語誌]→「あくせい(悪性)」の語誌

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「悪性」の読み・字形・画数・意味

【悪性】あくせい・あくしよう

性わる。

字通「悪」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

栄養・生化学辞典 「悪性」の解説

悪性

 病気が急激に進行する傾向,着実に死に至る傾向.がんなど.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android