悴む(読み)カジカム

デジタル大辞泉 「悴む」の意味・読み・例文・類語

かじか・む【×悴む】

[動マ五(四)]《古くは「かしかむ」》寒さのため手足が凍えて思うように動かなくなる。かじける。「手が―・んではしが持てない」 冬》「―・む手女は千も万も擦る/誓子
[類語]冷える凍える

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「悴む」の意味・読み・例文・類語

かじか・む【悴】

  1. 〘 自動詞 マ行五(四) 〙 ( 古くは「かしかむ」 )
  2. 生気がなくなって、やせ衰える。また、草木などがしおれる。かじける。
    1. [初出の実例]「儞は是れ誰が家の小児ぞ。面血色无く、いたく顦顇(カシカミ)たる」(出典:天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃))
  3. 手足などが寒さのため、こごえて思うように動かなくなる。かじける。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「駕ちんをかじかんだ手へ壱歩とり」(出典:雑俳・柳多留‐四(1769))
  4. 恐れちぢまる。気持がいじける。
    1. [初出の実例]「せつかれて・問屋女かじかむ出立ち飯」(出典:雑俳・たから船(1703))
    2. 「気持がかじかみ」(出典:島へ(1962)〈島尾敏雄〉)

悴むの語誌

( 1 )「かしく」(→かじける)から派生したものと思われ、ともにの意で用いられた。「日葡辞書」には「かじく」「かしく」の両形が見え、近世以降「かじかむ」「かじく」という濁音形が一般的になったと思われる。
( 2 )近世後期には、寒さのために生気がなくなる意味をもつ「かじける」の例が多くなり、以後「かじかむ」もこの意味を中心に使われるようになる。

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