情報処理モデル(読み)じょうほうしょりモデル

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「情報処理モデル」の意味・わかりやすい解説

情報処理モデル
じょうほうしょりモデル

効率的な情報処理を行なうための手段として組織をとらえるといった組織観に基づいて,組織に関する現象を説明しようとする理論。このような組織観の根底にあるのが,H.A.サイモンの提唱した「認知限界」という概念である。つまり,個人としての人間は認知能力,情報処理能力に限界があり,それを克服するために組織構造 (階層システム) が構築されるのである。情報処理モデルは,1970年代のコンティンジェンシー理論台頭とともに,組織論における最も中心的な理論となった。それに対して,組織は情報処理を効率化するのみならず,むしろ自ら情報を積極的に創造するのだという組織観に基づくモデルが情報創造モデルである。近年,特に新技術や新製品の開発といった創造的な活動が重要になるに従って,企業組織に関する現象の説明モデルとして,情報創造モデルの有効性が増してきている。

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