情景・状景(読み)じょうけい

精選版 日本国語大辞典 「情景・状景」の意味・読み・例文・類語

じょう‐けい ジャウ‥【情景・状景】

〘名〙
① 感興とけしき。心のはたらきと自然の風景。
※小津桂窓宛馬琴書簡‐天保五年(1834)七月二一日「午睡の御歌、情景ともに自然に出候て、尤めでたく奉存候」 〔対床夜語‐二〕
② 人の心に何かを感じさせるような、自然の景色や、具体的な場面。
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉一一・叙〈久保田重信〉「眼の及ばざる状景(ジャウケイ)を見出す至りては」
帰郷(1948)〈大仏次郎〉風土「恭吾は、夜中にかういふ情景を見たことがなかった」
[語誌]①の意味で漢籍に見られる語であるが、近代に入ってからは②の意味で訳語としても使用される。case の訳語として「情景」が「哲学字彙」(一八八一)で初めて登場し、続いて「改正増補和英語林集成」(一八八六)で「情景」が見出し語に立てられ、「state; condition」という意味の説明がされている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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