慈恩寺遺跡(読み)じおんじいせき

日本歴史地名大系 「慈恩寺遺跡」の解説

慈恩寺遺跡
じおんじいせき

[現在地名]安土町慈恩寺

安土町市街地の南西浄厳じようごん院の東方から南方に広がる水田地帯の標高八二―八九メートルの微高地上にある。古墳時代から中世近世にわたる遺物が散布し、昭和五七―五八年(一九八二―八三)にかけて発掘調査が実施され、古墳時代前期と、鎌倉時代―室町時代にかけての遺構・遺物が確認された。後者は、浄厳院の寺地に以前にあった六角氏菩提寺慈恩寺関連の遺構で、建物の区画溝や土壙・溜枡・池跡などの遺構を検出。陶磁器をはじめとする土器・火舎・石製五輪塔・漆器椀・こけら経・木製塔などが出土した。また鎌倉時代の遺構が確認され、慈恩寺に先行して鎌倉時代に六角氏の氏寺が建立されていたことが想定された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android