戸木城跡(読み)へきじようあと

日本歴史地名大系 「戸木城跡」の解説

戸木城跡
へきじようあと

[現在地名]久居市戸木町 桃里

雲出くもず川の左岸の河岸段丘上に位置する。稲代いなしろ川と雲出川が城の西と南を囲んで、堀の役目をしている。この城について「木造軍記」は「左中将具康ノ在城ヨリ一里上ニ戸木ト云所アリ、爰ニ新城ヲ取立、右中将具政卿ニ家督ヲ譲リ隠居スルナリ」と記し、木造具康の居館としているが、「勢陽雑記」は具政が天文二三年(一五五四)に出家して戸木村に住したと記している。「尊卑分脈」が具康を木造家七世俊茂の子として載せ、「為父被害」と注記しているところをみると、木造氏は具康の死後、国司北畠晴具の三男具政が具康の妹婿に入って当主となり、それが出家して戸木へ入ったとみるべきかと思われ、「伊勢国司記略」も具政説を採っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android