改訂新版 世界大百科事典 「扁平コンジローマ」の意味・わかりやすい解説
扁平コンジローマ (へんぺいコンジローマ)
condylomata lata
梅毒の第2期に発生する皮疹ないし粘膜疹の一型である。梅毒に感染してから3ヵ月を経過すると第2期になるが,この症期の初めに梅毒性バラ疹が,ついで丘疹性梅毒疹が発生する。扁平コンジローマはこの丘疹性梅毒疹の特異型である。発生しやすい部位は,外陰部,会陰部,肛門周囲,さらに腋下や女性の乳房の下方など,皮膚ないし粘膜が互いに触れ合うところが多い。症状として,ダイズの大きさ程度の扁平な隆起がたくさん発生し,表面は湿っていて,白色となってふやけた状態になっている。隆起の表面をこすったあとに出てくる液には病原体である梅毒トレポネマが多数含まれているので,梅毒の感染源としてとくに重要な意味をもっている。治療はペニシリン系薬剤の注射または内服療法により行われている。
執筆者:岡本 昭二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報