手島右卿(てじまゆうけい)(読み)てじまゆうけい

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

手島右卿(てじまゆうけい)
てじまゆうけい
(1901―1987)

書家。高知県安芸(あき)郡田野(安芸市)生まれ。本名は南海巍(なみき)。中学のころ郷里の書家川谷尚亭(かわたにしょうてい)に入門。1935年(昭和10)上京して比田井天来(ひだいてんらい)に師事。同時に上田桑鳩(そうきゅう)の主宰する書道芸術社に迎えられ、近代書道の革新的運動に協力した。とくに古法書の臨書(りんしょ)に卓抜手腕を発揮、書誌『書道芸術』『書勢』を通じて認められた。第二次世界大戦後は、飯島春敬、田中真州とともに書道再興を期して日本書道美術院(1945)、独立書道会(1952)、独立書人団(1967)を創立。超濃墨、淡墨両極端の墨美を駆使して独特の近代性に富む書風を確立、近来は少字数書の部門にも新天地を開拓している。68年(昭和43)毎日芸術賞受賞。82年文化功労者。

[神崎充晴]

『『現代日本書法集成11 手島右卿書法』(1980・小学館)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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