手掴・手捉(読み)てづかみ

精選版 日本国語大辞典 「手掴・手捉」の意味・読み・例文・類語

て‐づかみ【手掴・手捉】

〘名〙
① 直接手でつかむこと。器具を用いないで素手で物をつかむこと。手どり。
古事談(1212‐15頃)二「蔵人所台盤の上に置たりけるを、清成手づかみにつかみ喰て」
浄瑠璃・源氏冷泉節(1710頃)上「雪の下ふすうさぎたぬき、手づかみにひっつかみ」
② 努力しないで金をもうけること。ぼろもうけをすること。
※殿村篠斎宛馬琴書簡‐文政五年(1822)閏一月一日「この板元、近来山師になり候て、手づかみなる計校のみに加り、肝心の定業を外にいたし」

て‐づかまえ ‥づかまへ【手掴・手捉】

〘名〙 直接手でつかまえること。素手でとらえること。手づかみ。手づらまえ。
※史料編纂所本人天眼目抄(1471‐73)六「をそろしひ者をきりころすわ安いぞ手(テ)づかまえにするわ大事なぞ」
※落語・錦魚の御拝謁(1893)〈三代目三遊亭円遊〉「今其中から出て来た金魚手捕(テヅカマ)へに為て家へ持って行くんだらうが」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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