出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
…室町中期の江州坂本の隠士佐々木岳楽軒を流祖とし,その芸系が6世鳥飼和泉守元光まで伝えられてきたと伝承するが確かでない。和泉守は手猿楽(素人猿楽)に与えられた受領号であり,摂津猿楽鳥飼座より出て京都で手猿楽の狂言として活動するようになったものと考えられる。元光は大蔵流,鷺流の芸系に加えられる日吉満五郎の教えを受けたと伝えられ,両流と同じ芸系にあることになる。…
…この京都の声聞師は曲舞ばかりでなく能をも演じている。彼らは大和猿楽など本来の猿楽座と区別して〈手猿楽(てさるがく)〉(素人猿楽の意)と呼ばれるが,正月の松囃子(まつばやし)などのおりに宮中や仙洞でしきりに能を演じており,能の歴史のうえでも逸することのできない存在である。【天野 文雄】。…
※「手猿楽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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