打抜く(読み)ウチヌク

デジタル大辞泉 「打抜く」の意味・読み・例文・類語

うち‐ぬ・く【打(ち)抜く/打ち貫く】

[動カ五(四)]
強くたたいたり、突き刺したりして穴をあける。「くぎ板壁を―・く」
厚紙や金属板に型を当てて、その型どおりに抜き出す。「玩具の型を―・く」
壁や仕切りを取り外す。ぶちぬく。「二部屋を―・いた宴会場」
(「撃ち抜く」とも書く)銃砲などをうって物を貫く。「銃弾胸板を―・く」
(「撃ち抜く」とも書く)最後の最後までうつ。「弾が尽きるまで―・く」
予定した通りに最後まで行う。「二四時間ストを―・く」
[可能]うちぬける

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打抜く」の意味・読み・例文・類語

うち‐ぬ・く【打抜・打貫・撃抜】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 カ行五(四) 〙
    1. 突き刺したり打ち当てたりして穴をあける。厚紙や金属板に型を当てて、その通りに穴をあけるのにもいう。
      1. [初出の実例]「大風吹て〈略〉次々の房共同じく打抜つつ、七つの房を打倒して」(出典:今昔物語集(1120頃か)一九)
      2. 「板金を打ち抜いたナイフ」(出典:秘密(1955)〈安岡章太郎〉)
    2. 銃砲を撃って弾丸で物を貫く。
      1. [初出の実例]「一発の弾丸〈略〉駕籠を打抜(ウチヌキ)しが」(出典:近世紀聞(1875‐81)〈条野有人〉初)
    3. ( 「うち」は接頭語 ) 境界などを取り除く。また、向こう側に通じるように穴をあける。ぶちぬく。
      1. [初出の実例]「三間打ち抜いて」(出典:里芋の芽と不動の目(1910)〈森鴎外〉)
    4. ( 「うち」は接頭語 ) 抜けるようにする。
      1. [初出の実例]「主君をへつらひ、御腰をうちぬきて、追従軽薄表裡を事とし」(出典:仮名草子・浮世物語(1665頃)三)
    5. 徹底的に打つ。最後までやりとおす。「二四時間ストを打ち抜く」
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙 馬を走らせ、他の者より先に出る。また、抜け懸けする。
    1. [初出の実例]「只三騎打ぬけて四人の敵に相近付く」(出典:太平記(14C後)八)

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