投企(読み)とうき(その他表記)project

翻訳|project

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「投企」の意味・わかりやすい解説

投企
とうき
project

企投ともいう。実存哲学の一概念。 M.ハイデガーの Entwurf,J.P.サルトルの projetの訳。人間が自己の存在へかかわる仕方で,人間はすでに事実として世界のうちに投げ出されている被投性において,常に自己にふさわしい可能性に向ってこえ出ようとする。この可能性追求の自由な企てが投企である。ハイデガーでは自己の存在了解として現れ,事実性の制約を受けた被投的投企が強調され,サルトルでは事実性を否定する自己脱出の運動という面が強い。投企の最も根源的様態は,ハイデガーでは本来的自己,サルトルでは理想的存在 (即自=対自) へ向うときみられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android