抗てんかん薬の副作用

六訂版 家庭医学大全科 「抗てんかん薬の副作用」の解説

抗てんかん薬の副作用
(脳・神経・筋の病気)

 抗てんかん薬にはそれぞれ異なる副作用があることが知られています。またすべての抗てんかん薬は、妊婦服用するとその子どもに奇形がみられる可能性があることが知られていて、その頻度は健康な妊婦にみられる頻度の約2倍といわれています。

 とくにたくさんの種類の抗てんかん薬を大量服用している妊婦に多いことが知られていて、妊娠時には主治医とよく相談して減量、減薬を考慮する必要があります。プリミドンやバルプロ酸ナトリウムは、ほかの薬物に比べ重い奇形が多く、妊婦の服用には十分注意が必要です。

 それぞれの副作用を表8にあげます。フェノバルビタールには眠気、運動過多がみられ、フェニトインには急性副作用として肝機能異常、皮疹(ひしん)、知的機能抑制、慢性副作用として歯肉増生(しにくぞうせい)、多毛、小脳萎縮(いしゅく)があります。カルバマゼピンには急性の眠気、ふらつき、皮疹、肝機能異常がみられますが、慢性の副作用は少ないです。バルプロ酸ナトリウムには、急性の副作用として、吐き気嘔吐(おうと)高アンモニア血症がみられ、慢性の副作用として肥満振戦(しんせん)(震え)、月経異常、卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)などがみられます。新規の抗てんかん薬が3つ発売されました(トピラマート、ラモトリジン、ギャバペンチン)。比較的副作用は少ないのが特徴です。しかしラモトリジンはまれに重い皮膚・粘膜疾患を起こすことが知られています。


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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