折峠(読み)はしおりとうげ

日本歴史地名大系 「折峠」の解説

折峠
はしおりとうげ

[現在地名]中辺路町近露

近露ちかつゆの西部、熊野街道中辺路の坂尻さかじりせきだいらの中ほどにある峠。柏嶺かしわとうげとも記される(西国三十三所名所図会)標高約三八〇メートル。寛政一〇年(一七九八)の「熊野詣紀行」に「はしおり峠 のほりハ三四丁下りは近露川まて七八丁なり、峠より少し下る処に花山院御経塚とてあり、左りに茶店あり、君か茶屋といふよし(中略)花山院この茶屋に御休みありて、供御なと召上らるるに御箸なかりけれは、志ばを折りて奉るや芝の折口よりあかき汁のなかれけれは、是ハ血か露かとの給ハせけるより、近露といふ里の名あり、又御箸をおりたれは、はしおり峠といふ名ありと、君か茶屋のあるしかたりき」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

五節舞

日本の上代芸能の一つ。宮廷で舞われる女舞。大歌 (おおうた) の一つの五節歌曲を伴奏に舞われる。天武天皇が神女の歌舞をみて作ったと伝えられるが,元来は農耕に関係する田舞に発するといわれる。五節の意味は...

五節舞の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android