拓版(読み)たくはん

改訂新版 世界大百科事典 「拓版」の意味・わかりやすい解説

拓版 (たくはん)

凹凸のある物体に紙をのせて上から鉛筆クレヨンなどで摩擦し,あるいは墨,絵具を含ませたたんぽでたたくなどして形を写し取る凸版の一技法。中国では2世紀以後,碑銘を写すために常用された。ヨーロッパでも中世末から教会内の碑銘や墓碑銘を写し取るのに用いられた。現代ではM.エルンストが作品集《博物誌》にこの技法を用い,以後フロッタージュ名称で現代絵画の一造形技法となっている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android