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日常とは異なった拘禁という人為的に作られた状況で生活をするようになったために生じた精神-身体的反応。このうち,重い精神病様の症状を示すものを拘禁精神病という。拘禁状況としては刑務所,拘置所などが代表的なものであるが,病院の集中治療室なども一種の拘禁状況との見方もある。病因としては,拘禁に伴う自由や権利の剝奪(はくだつ),未決囚では判決への心配,死刑囚では執行への恐れなど状況的な因子とその人の性格傾向とが関連し,否認,願望充足,身体化などの自我防衛機制が働いている。症状は多種多様であるが,無目的的な運動暴発,衝動自殺,詐病,道化症状,赦免妄想,死刑囚の躁(そう)状態,独居房での急性幻覚妄想などがある。また,これらの前ぶれ的症状あるいは背景にある症状として身体的愁訴や神経症的な訴え,抑うつ状態などに注意することがたいせつである。経過および予後としては,拘禁解除が症状消失に効果があるが,再発あるいは慢性化する場合もある。
執筆者:永島 正紀+野上 芳美
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