拾塊集(読み)しゅうかいしゅう

改訂新版 世界大百科事典 「拾塊集」の意味・わかりやすい解説

拾塊集 (しゅうかいしゅう)

羽黒修験道の歴史,代表的人物,のことなどをきわめて簡単に記した書物。上下2巻から成り,上巻は〈修験用心略記〉以下14項目,下巻は〈夏一職ノ事〉ほか17項目を挙げている。羽黒山荒沢寺に,元亀年中(1570-73)に清順が本社の記録箱からこの本を持ちだし,米沢にあったのを祐仙が書写した,という識語と,喜楽院所持の古写本清海が書写して世に広めた,という跋のある本がある。内容から想像すると,天宥が1649年(慶安2)に一山の長老と共同で編集した《羽黒山七部集》のあとに成立したものと思われる。このように,筆者,成立年代とも未詳で,内容的にも問題があるが,羽黒修験の特殊性を主張しようとした書である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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