持成(読み)もてなし

精選版 日本国語大辞典 「持成」の意味・読み・例文・類語

もて‐なし【持成】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 教養、性格などによってかもし出される態度。身のこなし。ものごし。挙動。動作。ふるまい。
    1. [初出の実例]「の給ふ御もてなし、こわづかひさへ、目もあやなるに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若紫)
  3. 人に対する態度。人に対するふるまい方。人に対する遇し方。待遇
    1. [初出の実例]「人のそしりをも、えはばからせ給はず、世のためしにもなりぬべき御もてなし也」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
  4. 人に対して、自分の望む結果が得られるようにしむけること。しむけ。とりはからい。処置
    1. [初出の実例]「例ならずかかるは、内の御方の御もてなしにやあらむ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)
  5. 物の使いぶり。取り扱い方。
    1. [初出の実例]「琵琶をうち置きて、ただ、けしき許ひきかけて、たをやかに使ひなしたるばちのもてなし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
  6. 饗応。ごちそう。
    1. [初出の実例]「さりながらおもてなしに語って聞かせ申し候ふべし」(出典:謡曲・八島(1430頃))
    2. 「気さくなる翫(モテナ)し、是なる岸にあるてふ、海鹿藻(ひじきも)・みるくいを取揃、酒も大方に過て」(出典浮世草子好色一代男(1682)二)

もち‐なし【持成】

  1. 〘 名詞 〙 身を持ちなす仕方。身のよそおい。ふるまい。
    1. [初出の実例]「もちなしの盆報気成大黒に 俵の底もあきかぜぞふく〈宗因〉」(出典:俳諧・歌仙そろへ(1666))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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