按察使(令外官)(読み)あぜち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「按察使(令外官)」の意味・わかりやすい解説

按察使(令外官)
あぜち

令外官(りょうげのかん)の一つ。719年(養老3)に新設された地方行政の監督官。3~5か国の守(かみ)のうちから1人を選任して、管内の治績調査や民情を視察させた。使の下に補助官として典(てん)(のち記事(きじ)と改称)があり、特典として、職田(しきでん)(使6町、記事2町)、仕丁(しちょう)(使5人、記事2人)を賜った。平安時代前期より陸奥出羽(むつでわ)按察使のみとなり、公卿(くぎょう)の兼官として、しだいに虚職となった。1869年(明治2)に復活されたが、翌1870年廃止。

[渡辺直彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android