挿む(読み)さしはさむ

精選版 日本国語大辞典 「挿む」の意味・読み・例文・類語

さし‐はさ・む【挿・挟】

  1. 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
  2. 間に入れる。
    1. (イ) 物の間にさしこむ。はさみこむ。挿入(そうにゅう)する。
      1. [初出の実例]「其の生める子をば、木の俣に刺挟(さしはさみ)て返りき」(出典古事記(712)上)
    2. (ロ) 他人の考えや話に、別の考えやことばを途中から加える。
      1. [初出の実例]「つぎに、みづからのはからひをさしはさみて」(出典:歎異抄(13C後)一一)
  3. ある考えを心にもつ。心中にいだく。含みもつ。多く、悪い考えをいだく意に用いる。
    1. [初出の実例]「諸神諸社の牛王宝印のうらをもって、野心を挿(さしはさ)まざるむね」(出典:平家物語(13C前)一一)
    2. 「従ってそんな疑ひを挟(サシハ)さむ余地がなかった」(出典:行人(1912‐13)〈夏目漱石〉兄)
  4. ( 「さし」は接頭語 ) 左右からはさみもつ。転じて、助ける。力をかす。援助する。
  5. ( 「さし」は接頭語 ) 頼みとする。頼みとして人に誇る。おごりたかぶる。
    1. [初出の実例]「勅命をさしはさみ、年来の蟄懐を散(はら)さん為」(出典:読本椿説弓張月(1807‐11)前)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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