授封強制(読み)じゅほうきょうせい(英語表記)Leihezwang ドイツ語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「授封強制」の意味・わかりやすい解説

授封強制
じゅほうきょうせい
Leihezwang ドイツ語

ドイツ封建法において、没収した帝国レーンLehn(封土)は1年と1日以内に再授封しなければならないという原則。13世紀前半の法書『ザクセンシュピーゲル』のなかで定式化された。ハインリヒ獅子(しし)公Heinrich der Löwe(ザクセン公在位1139~80、バイエルン公在位1156~80)の失脚訴訟に際し、皇帝フリードリヒ1世(赤髯(あかひげ)王)は、諸侯獅子公の帝国追放、封没収を認めさせる代償としてこの原則を承認したといわれる。以後国王が封没収の権利を王権強化の手段として利用する道がふさがれ、ドイツ封建国家の分権的方向への発展が決定的となった。

[平城照介]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android