デジタル大辞泉
「掣肘」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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せい‐ちゅう‥チウ【掣肘】
- 〘 名詞 〙 ( 宓子賤が二吏に字を書かせ、その肘をひっぱって妨げたという「呂子春秋‐審応覧具備」の故事から ) そばから干渉して自由な行動を妨げること。また、その妨げ。
- [初出の実例]「大将の外に在るもの、掣肘矛盾せらるること多く」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉九)
- 「勘次は村の若者がおつぎに想を懸けることに掣肘(セイチュウ)を加へる些の力をも有して居らぬ」(出典:土(1910)〈長塚節〉一一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「掣肘」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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掣肘
わきから干渉して、人の自由な行動を妨げること。
[使用例] これからあすの朝までは、誰にも掣肘せられることの無い身の上だと感ずるのが、お玉のためには先ず愉快でたまらない[森鷗外*雁|1911~13]
[由来] 「[呂氏春秋]―審応覧・具備」に載っている逸話から。紀元前五世紀、春秋時代の中国で、魯という国に、ある町を治める宓子賤という役人がいました。あるとき、彼は下役二人に文書を書かせましたが、「旁らより時に其の肘を掣揺す(ときどき、そばから彼らのひじをひっぱった)」。そうして、「おまえたちは字が下手だな」と注意するのです。困った二人は、魯の君主に報告をしました。それを聞いた魯の君主は、自分が宓子賤にその町の政務を任せながら、そのやりかたを邪魔していたことに気づき、以後はよけいな口出しをしないようにしました。その結果、その町はよく治まったということです。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の掣肘の言及
【肘】より
…聖書にはキュビトとしてみえ,〈普通のキュビト〉(45cm)と〈神聖キュビト〉(52cm)などが知られている。 魯の哀公に仕えた宓子賤(ふくしせん)が哀公の側近を〈掣肘(せいちゆう)〉して拙い字を書かせ,宓の政治に容喙(ようかい)することの愚を公に悟らせた(《呂氏春秋》)ように,肘を抑えれば強力な肩の筋群の動きを乱せることは梃子(てこ)の原理をひくまでもない。人相学では黒子(ほくろ)が肘頭部にあれば災厄を招きやすく,肘の上にあっても病が多いが,肘の下にあれば富相となり,肘窩にあれば技量に長(た)けるなどと言う。…
※「掣肘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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