掻暮(読み)かいくれ

精選版 日本国語大辞典 「掻暮」の意味・読み・例文・類語

かい‐くれ【掻暮】

  1. ( 動詞「かきくれる(掻暗)」の連用形から )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙 すっかり日が暮れること。
    1. [初出の実例]「茶𣏐竹かいくれ日くれか三ケの月〈光正〉」(出典:俳諧・沙金袋(1657)興)
  3. [ 2 ] 〘 副詞 〙 ( 打消の語を伴って用いる。「に」を伴うこともある ) 全くわからない、また、見えないさまにいう。まるっきり。さっぱり。かいもく。
    1. [初出の実例]「鑓蒙はどっちへつんぬけたかかいくれ見へない」(出典:雑兵物語(1683頃)下)

掻暮の補助注記

暗くなって見えないところから行方がわからない意味の述語にかかる事が多い。「お染久松色読販中幕」に打消の伴わない「昨日こなたの跡をかいくれ尋(たづね)たは、嫁菜の苞(つと)の」の例が見られるが、「かいくれ」に「全くわからない」の打消の意を含ませた表現と思われる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ワーキングホリデー

協定締結国の国民に対し,休暇の機会と,その間の滞在費用を補う程度の就労を認める査証(ビザ)を発給する制度。二国間の協定に基づき,国際的視野をもった青少年を育成し,両国間の相互理解と友好関係を促進するこ...

ワーキングホリデーの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android