掻浚(読み)かっさらう

精選版 日本国語大辞典 「掻浚」の意味・読み・例文・類語

かっ‐さら・う ‥さらふ【掻浚】

〘他ワ五(ハ四)〙 (「かっ」は接頭語)
土砂などを、深くすくうようにして掘り取る。また、心の中などを洗いざらいぶちまける。
虚堂録臆断(1534)続輯「腹中をかっさらいて云て聞せた、引回腸をし謂也尽情説也」
手投弾(1923)〈秋田雨雀〉「大きな熊手の形をした機械の下で、その機械のかっさらって来た何十貫目といふ石に」
物品などを横合いからすばやくうばい取る。特に、人のすきに乗じて物を盗み取る。
西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉八「おめへのよんでゐるものを、かっさらってよむのも」

かき‐さら・う ‥さらふ【掻浚】

〘他ワ五(ハ四)〙
① 川、井戸などの底にたまったごみなどを取り除く。かっさらう。
② 急に横あいから奪い取る。かっさらう。
人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)五「其折家内(やうち)の在金を、残る方なく掻(カ)き浚(サラ)ひ、何れの国にも迯げ延びて」
[補注]「浄・心中刃は氷の朔日(1709)上」に「かきさらへ、ひんだかへて奥に入」の例がある。「かきさらひ」の音の変化したものとも、あるいは、下二段活用「かきさらふ」の連用形とも考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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