描く(読み)エガク

デジタル大辞泉 「描く」の意味・読み・例文・類語

え‐が・く〔ヱ‐〕【描く/画く】

[動カ五(四)]
物の形を絵や図にかき表す。「田園風景を―・く」
物事ありさま文章音楽などで写し出す。描写する。表現する。「下町生活を―・いた小説
物事のありさまを心に思い浮かべる。「夢に―・く」
物の動いた跡が、ある形をとる。「波紋を―・く」
[可能]えがける
[類語]象る彩る染める染まる描写写生模写素描点描線描寸描スケッチ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「描く」の意味・読み・例文・類語

え‐が・くヱ‥【描・画】

  1. 〘 他動詞 カ行五(四) 〙 ( 「絵を書く」「絵に書く」の意。古くは「えかく」と清音連語か )
  2. 物の形を絵や図の形にかき表わす。絵や図をかく。
    1. [初出の実例]「皇太子、天皇に請(まう)したまひて大楯と靫〈靫、此をば由岐と云ふ〉とを作り、又旗幟(はた)に絵(ヱカク)」(出典:日本書紀(720)推古一一年一一月(岩崎本訓))
    2. 「かはほりのえならずゑかきたるをさし隠して」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅葉賀)
  3. 物事の有様を文章、音楽などで表現する。写し出す。描写する。
    1. [初出の実例]「彼の人間の情欲ほど描(ヱガ)きがたかるものはあらじ」(出典:小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上)
  4. 想像によって心の中に思い浮かべる。
    1. [初出の実例]「種々の空想を描(ヱガ)いて滊車の窓に倚(よ)ったのが」(出典:帰去来(1901)〈国木田独歩〉一七)
  5. 物が動いて、その通った跡がある形をなす。
    1. [初出の実例]「火の粉は烟諸共風に捲かれて大空に舞ひ上る。城を蔽ふ天の一部が櫓を中心として大なる赤き円を描いて」(出典:幻影の盾(1905)〈夏目漱石〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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