揺曳(読み)ヨウエイ

デジタル大辞泉 「揺曳」の意味・読み・例文・類語

よう‐えい〔エウ‐〕【揺×曳】

[名](スル)ゆらゆらとただようこと。また、音などがあとまで長く尾を引いて残ること。「かすみ山麓揺曳する」
一種神秘の雰囲気が―しているように思われて」〈寅彦・物売りの声〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「揺曳」の意味・読み・例文・類語

よう‐えい エウ‥【揺曳】

〘名〙
① ゆらゆらとゆれてなびくこと。
※類聚句題抄(11C中)垂楊払緑水〈菅原文時〉「翠黛婆娑烟半湿、清陰揺曳浪無塵」 〔鮑照‐代櫂歌行〕
② 響きなどがあとに長く尾をひくこと。また、雰囲気や感情などがあとまで長く残ること。
※星巖集‐戊集(1856)玉池生後集・墨水暮帰舟中所見「梅花弄影垂垂玉、春在櫓声揺曳辺
※啾々吟(1953)〈松本清張〉三「今過してきた叔父の家の雰囲気が、まだ揺曳(ヨウエイ)しているらしかった」 〔常建‐西山詩〕

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普及版 字通 「揺曳」の読み・字形・画数・意味

【揺曳】よう(えう)えい

ゆれる。ぶらぶらする。唐・温庭〔夢江南〕詞 山知らず、心裏の事 水風しくつ、眼 搖曳して、碧雲斜めなり

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