摂政時代[イギリス](読み)せっしょうじだい[イギリス](英語表記)Regency

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「摂政時代[イギリス]」の意味・わかりやすい解説

摂政時代[イギリス]
せっしょうじだい[イギリス]
Regency

国王ジョージ3世摂政がおかれた 1811~20年の時代。摂政は議会制定法によるもので,ジョージ3世が精神異常の兆候をみせた 1788年頃にも摂政法が準備された。皇太子 (のちのジョージ4世 ) は摂政の権限制約に不満をもち,ホイッグ党と結んでトーリー政府を攻撃していたが,1810年 11月ジョージ3世は不治の精神錯乱状態に陥り,11年2月の摂政政治法によって,暫定的に設けられた制限のもとで摂政に就任した。以後その死 (1820) まで摂政時代が続いた。この時期はナポレオン戦争ウィーン会議とその直後にあたり,イギリスでは経済恐慌や労働問題など難問が山積した危機的な時代であったが,皇太子摂政は私生活上の乱れもあって議会や国民との信頼関係を欠き,みるべき改革は行われなかった。

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