出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…その結果,明治維新の後,欧米の先進文化の受容に努める日本も洋夷と同一(倭洋一体)とみなした。19世紀後半の大院君の鎖国攘夷政策はこの思想に支えられて行われた。しかし,衛正斥邪思想の本質は,対外的危機に際して朝鮮王朝の支配体制を固守し,国内外の情勢の変化に即応する一切の変革を拒否するものであった。…
…幕末における西洋列強の接近に対応し,海防論の一環として発生,展開した思想。攘夷論は開国論と対置される場合があるが,現実政策としての開国論と対立するのは鎖国論である。一方,国際社会のとらえ方という点で攘夷論,というよりもむしろ攘夷論の前提をなす華夷思想と対立するのは,諸国家は独立平等の存在であるべきだとする国家平等の観念である。…
…下級武士や少壮公卿らが主たる担い手であった。
[運動の発端]
尊王も攘夷も,幕藩体制に本来そなわった考え方であるが,幕末に外国船の来航が多くなり,鎖国の維持が危うくなったとき,幕藩体制の秩序を再強化するための政治理論として,尊王攘夷論が登場した。その支柱となったのは,徳川斉昭や藤田東湖が唱えた後期水戸学であった。…
※「攘夷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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