肉薄(読み)ニクハク

デジタル大辞泉 「肉薄」の意味・読み・例文・類語

にく‐はく【肉薄/肉迫】

[名](スル)
身をもって敵地などに迫ること。「敵の本拠に―する」
競争などで、すぐ近くまで追い迫ること。「首位に―する」
鋭く問い詰めること。「議会政府に―する」
[類語]突進猪突猛進進む向かう前進直進驀進ばくしん邁進まいしん進行進出・歩を進める・進める

にく‐うす【肉薄】

[形動][文][ナリ]肉が薄いさま。厚みの少ないさま。「肉薄な(の)板」

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精選版 日本国語大辞典 「肉薄」の意味・読み・例文・類語

にく‐はく【肉薄・肉迫】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 身を危険にさらして前進すること。敵に向かって押し寄せること。また、ぶつかってひしめきあうこと。
    1. [初出の実例]「争下馬、肉薄攻之」(出典:日本外史(1827)五)
    2. 「さっきの兵隊の後横へ肉迫してゐた」(出典:不在地主(1929)〈小林多喜二〉五)
    3. [その他の文献]〔元史‐郝経伝〕
  3. 鋭く問いつめること。遠慮なく詰問すること。
    1. [初出の実例]「近藤は肉薄した。『どうでせう、先生、願はれますまいか』」(出典:青年(1910‐11)〈森鴎外〉二)

にく‐うす【肉薄】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 肉が薄いこと。やせていること。
    1. [初出の実例]「眉に愁を帯(お)んだ、神経質らしい肉薄(ニクウス)丸顔で」(出典:恋慕ながし(1898)〈小栗風葉二三)
  3. 物の厚みが少ないさま。

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普及版 字通 「肉薄」の読み・字形・画数・意味

【肉薄】にくはく

相接するほどに迫る。〔宋書、臧質伝〕衝車を以てを攻む。土堅密にして、至る(たいらく)すること數升にぎず。乃ちしてに登り、番をちて相ひ代り、ちて復(ま)た升(のぼ)る。

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