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人間およびその環境を,放射線被曝あるいは放射性物質による汚染から防護し,放射線障害の発生するのを防止すること。放射線保護のための実務を放射線管理あるいは保健物理,放射線防護を研究対象とした学問を保健物理学というが,放射線防護,放射線管理および保健物理の3者はニュアンスの違いはあるにせよ,実際にはほぼ同義語として用いられている場合が多い。国際放射線防護委員会は放射線防護において国際的に指導的立場にある。そこでは,放射線障害を確率的影響(放射線誘発癌や突然変異)と非確率的影響(放射線誘発皮膚炎や白内障)とに分類する。そして,〈放射線防護の目的は非確率的な有害な影響を防止し,また確率的影響を容認できると思われるレベルにまで制限すること〉としている。さらに,この目的達成のため放射線被曝の限度である線量限度あるいは線量制限体系を勧告している。技術面から見れば,放射線防護の最も原則的なことは,放射線源をできるだけ狭い空間に閉じ込め,利用にあたっては取り出す放射線や放射性物質を必要最小限にとどめ,出てくる放射線は十分に管理することである。体外放射線に対する防護では,線源から距離をとること,被曝時間を短くすること,適切な遮へいを行うことが要点となり,体内汚染に対する防護には環境の清浄化が基本であり,飲食などの禁止などの注意が必要となる。とくに管理区域内での放射線防護のためには,作業環境の放射線安全施設,設備,装置などを事前に十分備える必要があり,次いで作業者が安全作業のための諸規則を忠実に守るよう十分な教育訓練を行うこと,さらに適切な放射線管理を行うことが重要である。
執筆者:稲葉 次郎
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