政治行政二分論(読み)せいじぎょうせいにぶんろん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「政治行政二分論」の意味・わかりやすい解説

政治行政二分論
せいじぎょうせいにぶんろん

1930年代に頂点をきわめた伝統的アメリカ行政学において多くの論者の基礎におかれた教義。その最初の提唱者は W.ウィルソンであった。彼は 19世紀以来の腐敗しきった政党政治から行政を切り離し,行政の合理化を通じて政治浄化をはかろうとした。そのために党派的価値判断にわずらわされない「ビジネスの領域」について「行政の科学」を確立する必要性があると考え,管理および組織の能率化に資するための実践的指針の発見に力を入れた。しかしニューディール政策 (→ニューディール ) の展開を背景に,政治と行政とを峻別する従来の考え方に強い批判が投げかけられ,政策の形成および執行過程を連続的に把握する政治行政融合論に道を譲ることとなった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android