普及版 字通 「敏(漢字)」の読み・字形・画数・意味
敏
常用漢字 10画
(旧字)
人名用漢字 11画
[字訓] さとい・つとめる・はやい
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
初形は(毎)(まい)+(又)(ゆう)。は髪飾りをつけ盛装した婦人の姿。その髪に手をそえている形が。妻に似た字形で、妻は結婚のときの姿。は家の祭事にいそしむ婦人の姿。その髪に糸飾りを加えると(繁)(はん)となる。繁飾の意。〔説文〕三下に「疾(はや)きなり」と敏疾の意とする。(しよう)は敏捷の捷の初文。妻の下部を走る形としたもの。敏捷とは祭事に奔走することをいう。〔説文〕に字を声とするが、金文にを「(いそ)しむ」と用いる例があり、・を同義に用いており、繁簡の字である。また〔詩、大雅、生民〕に姜(きようげん)が「の武(あし)の(あと)(拇(おやゆび))を履(ふ)み」后稷を(はら)んだという感生帝説話が歌われており、を拇(ぼ)に仮借して用いる。古くその音であったのであろう。
[訓義]
1. さとい、かしこい、よく気配りする、つまびらか。
2. つとめる、たちはたらく。
3. はやい、すばやい。
4. 拇と通じ、おやゆび。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 トシ・トホル・オオ・トクス・サトシ 〔字鏡集〕 カタ・スミヤカ・ウヤマフ・トホル・トシ・ツトム・トクス
[声系]
を〔説文〕十三上にに作り、「馬の髦(ばうしよく)なり」とするが、もと・に従う字で、婦人が儀礼にのぞんで繁飾することをいう字である。
[熟語]
敏鋭▶・敏叡▶・敏活▶・敏黠▶・敏感▶・敏求▶・敏給▶・敏▶・敏慧▶・敏決▶・敏悟▶・敏口▶・敏行▶・敏才▶・敏識▶・敏疾▶・敏捷▶・敏誠▶・敏贍▶・敏達▶・敏智▶・敏弁▶・敏▶・敏妙▶・敏麗▶・敏練▶
[下接語]
鋭敏・叡敏・穎敏・過敏・該敏・恪敏・機敏・恭敏・強敏・勤敏・謹敏・勁敏・敬敏・警敏・口敏・巧敏・克敏・才敏・周敏・秀敏・夙敏・俊敏・雋敏・駿敏・捷敏・詳敏・深敏・斉敏・精敏・贍敏・聡敏・端敏・通敏・貞敏・篤敏・訥敏・博敏・不敏・膚敏・武敏・弁敏・便敏・明敏・優敏・和敏
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報