教育差別禁止条約(読み)きょういくさべつきんしじょうやく(その他表記)Convention against Discrimination in Education

知恵蔵 「教育差別禁止条約」の解説

教育差別禁止条約

国連教育科学文化機関(ユネスコ)第11回総会が1960年12月14日、教育における差別の禁止を目的として採択した条約。62年5月22日発効。日本は未加入。人種、皮膚の色、性別言語宗教、政治上その他の意見、国民的・社会的出身、経済条件または出生により、教育上の平等な取り扱いを害するような区別除外制約、優先を「差別」として禁じている。とりわけ、ある人や集団に教育の機会を与えないか、もしくは低水準の教育の機会のみ与え、区別した教育制度・機関を設け、人間の尊厳と両立しない条件を課すようなことは差別となる。加盟国は、差別を含む法令や行政訓令を廃止し、行政慣行も中止し、必要な時は立法により教育機関への生徒の受け入れの無差別を保障しなければならない。さらに教育の平等を促進するための具体的政策策定と実施が義務付けられ、法令や行動につきユネスコ総会に定期報告を提出する。

(宮崎繁樹 明治大学名誉教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「教育差別禁止条約」の意味・わかりやすい解説

教育差別禁止条約
きょういくさべつきんしじょうやく
Convention against Discrimination in Education

教育での差別を禁止するために 1960年 12月のユネスコ総会において採択された条約。人種,皮膚の色,性別,言語,宗教,民族あるいは社会的出身,経済条件,出生などを根拠とする差別,除外,制約,優先を禁止し,教育の質,制度,機会などに差別を設けることを禁止している。また加盟国は,差別的法令や諸制度,慣行を廃止し,教育の平等を保証・促進するために具体的政策を立案し,実行する義務を負う。日本は未加盟。

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