散乱振幅(読み)さんらんしんぷく(英語表記)scattering amplitude

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「散乱振幅」の意味・わかりやすい解説

散乱振幅
さんらんしんぷく
scattering amplitude

波動が障害物に出会って散乱されるとき,その結果としてできる散乱波振幅。量子力学的な粒子の散乱では,ある入射粒子が標的によって散乱される場合,入射方向に対してある角度をもつ方向に散乱される確率振幅をいう。入射粒子の方向を z 軸にとり,これを極軸として方向を で表すと,散乱振幅は と書くことができる。厳密にいえば,波数 k の入射平面波 exp (ikz) が外向きの散乱波を生じる場合の波動関数遠方での漸近形を (r は標的からの距離) と表したとき,係数 が散乱振幅である。 方向の微小立体角 中への散乱の微分断面積 dσ は となる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android