散切り(読み)ザンギリ

デジタル大辞泉 「散切り」の意味・読み・例文・類語

ざん‐ぎり【散切り】

ちょんまげを切り落として、刈り込んだ髪形。明治初期に流行し、文明開化の象徴とされた。散切り頭斬髪ざんぱつ
髪を切り乱して結ばずにそのままにしておくこと。また、その髪形。散らし髪。
[類語]ちりちり縮れ縮れ髪縮れ毛カーリーヘアほつれ毛さんばら髪乱れ髪寝乱れ髪蓬髪ほうはつ蓬頭ほうとうもじゃもじゃ茫茫ぼうぼうぼさぼさばさばさ

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精選版 日本国語大辞典 「散切り」の意味・読み・例文・類語

ざん‐ぎり【散切・斬切・残切】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 月代(さかやき)をそらないで、頭髪をうしろへなでつけて結ばず、切り下げたままにした髪形。なでつけ。散切髪。
    1. 散切<b>①</b>〈人倫訓蒙図彙〉
      散切人倫訓蒙図彙
    2. [初出の実例]「此三人に日夜乱れて、いつとなくざん切になでつけ」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)二)
  3. 頭髪をにされていたところから江戸時代、囚人を扱った非人。
    1. [初出の実例]「辻々のざんぎりの品玉同意に心得、人の目をさまさせんと、驕らるる心より闘諍起り、確執に及ぶ」(出典:浮世草子・風俗遊仙窟(1744)三)
  4. 江戸吉原の私刑の一つ。客がなじみの遊女に無断で他の遊女と遊興した時、なじみの遊女たちがその客の髪を切り落とすこと。
    1. [初出の実例]「ざんぎりにしなとぞろぞろ上さうり」(出典:雑俳・柳多留拾遺(1801)巻一四中)
  5. 男子の髪形の一つ。月代をそらないでうしろへなでつけ、髪をえり元で切ったもの。明治四年(一八七一散髪脱刀令が出されてから流行した。さんぱつ。〔和英語林集成初版)(1867)〕
    1. [初出の実例]「文明開化は頭をザンギリにするのみならず」(出典:大阪日報‐明治四年(1871)一二月二五日)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「散切り」の解説

散切り
ざんぎり

ジャンギリとも。明治初期男子の一種洋髪幕末・維新期,海外留学生や洋式練兵の兵卒から始まった。1871年(明治4)8月政府が散髪脱刀令を出し,73年に明治天皇が頭髪を切ったことにより,散切り頭は文明開化の象徴として流行した。81年頃の東京では8割が散切り髪になったという。

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旺文社日本史事典 三訂版 「散切り」の解説

散切り
ざんぎり

明治初期の断髪
1871(明治4)年の散髪脱刀令以来,文明開化の象徴とされた。

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