文化芸術の振興や宗教行政の事務を担う文部科学省の外局として、1968年に設置された。文化財の保存や活用、著作権保護、国際文化交流のほか、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産、無形文化遺産の推薦に関する業務に携わる。所管する独立行政法人に、国立文化財機構や国立美術館、日本芸術文化振興会などがある。
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文部科学省の外局。文部科学省設置法に基づき設置された国の行政機関。同庁は、1968年(昭和43)に、旧文部省文化局とその外局として設置されていた文化財保護委員会を統合して設置され、2001年(平成13)1月の省庁再編までは、文部省の外局であった。文化の振興および国際文化交流の振興を図るとともに、宗教に関する国の行政事務を行うことを任務とする。その長は文化庁長官であり、内部部局として長官官房のほか、文化部と文化財部が置かれている。また、文化庁所管の独立行政法人として、国立文化財機構、国立美術館、日本芸術文化振興会がある。このほか、特別の機関として日本芸術院、審議会として文化審議会、宗教法人審議会が置かれている。文化部は、文化の振興に関する企画・立案ならびに援助・助言に関すること、劇場をはじめとする文化施設に関すること、国語の改善およびその普及、外国人に対する日本語教育に関すること、アイヌ文化の振興に関すること、著作権などに関すること、宗教法人の規則等の認証などの事務を担当する。文化財部は、文化財の保存および活用に関すること、文化部の所掌に属するものを除くアイヌ文化の振興に関すること、文化施設のうち美術館および歴史に関する博物館に関することなどの事務を担当する。
[福家俊朗・山田健吾 2018年5月21日]
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文化の振興および普及,文化財の保存および活用を図るとともに,宗教に関する国の行政事務を行うことを任務とする文部省(2001年より文部科学省)の外局。1968年文部省文化局と外局の文化財保護委員会を統合して創設された。付属機関に,芸術上の功績顕著な芸術家を優遇するための機関として日本芸術院が設置されているのをはじめ,各種の国立の博物館・美術館,国立国語研究所,文化審議会の国語分科会・著作権分科会・文化財分科会,宗教法人審議会などがあり,特殊法人国立劇場を所管している。本来,芸術文化の振興は国民の創造的活動にまつものであるから,文化行政は文化の実体に干渉してはならないことが,戦後改革の重要な理念とされている。法隆寺金堂火災を契機に1950年文化財保護法が制定されたが,近年の地域開発による文化財の破壊,民俗芸能の衰退など文化行政の抱える問題は多岐にわたる。
執筆者:鈴木 英一
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文化行政を所掌とする文部科学省の外局。1968年(昭和43)6月15日文部省は文化振興のため行政組織の一元化を図り,文化局と外局の文化財保護委員会を統合して文化庁を設置。文化の振興・文化財保護・宗教に関する行政事務を任務とする。各国立博物館,各国立美術館,国立国語研究所,東京・奈良文化財研究所,日本芸術院などの所管機関と,国語・著作権・宗教法人・文化財保護の各審議会がある。近年,移転が予定されている。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
(2016-3-24)
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