斎・時(読み)とき

精選版 日本国語大辞典 「斎・時」の意味・読み・例文・類語

とき【斎・時】

〘名〙 (食すべき時の食の意)
① 僧家で、食事の称。正午以前に食すること。⇔非時(ひじ)
※宇津保(970‐999頃)春日詣「ここらの年ごろ、露・霜・草・葛の根をときにしつつ」
肉食をとらないこと。精進料理。
※栄花(1028‐92頃)初花「うちはへ御ときにて過させ給し時は、いみじうこそ肥り給へりしか」
③ 檀家や信者寺僧に供養する食事。また、法要のときなどに、檀家で、僧・参会者に出す食事。おとき。
※梵舜本沙石集(1283)三「種々の珍物をもて、斎いとなみてすすむ」
④ 法要。仏事。
浄瑠璃心中重井筒(1707)中「鎗屋町隠居へ、ときに参る約束是非お返しと云ひけれ共、はてときは明日の事ひらにと云ふに詮方なく」
⑤ 節(せち)の日、また、その日の飲食。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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