斑猫・斑蝥(読み)はんみょう

精選版 日本国語大辞典 「斑猫・斑蝥」の意味・読み・例文・類語

はん‐みょう ‥メウ【斑猫・斑蝥】

〘名〙
ハンミョウ科の甲虫。体長約二センチメートル。濃紫色の地に金緑色などを帯びて美しく、背面に白点紋がある。地方によって多少色彩が異なる。幼虫成虫とも他の小昆虫を捕食する。幼虫は一般に堅い地表に穴を掘ってすむ。「なみはんみょう」とも呼ばれるが、成虫が五月ごろ現われ、山道などで人の進む先へ先へと飛ぶので「みちおしえ」「みちしるべ」とも俗称される。本州以南、中国、朝鮮分布。類似種が多い。毒虫として知られるハンミョウはツチハンミョウマメハンミョウのことで本種とは科が異なる。《季・夏》
※俳諧・北国曲(1722)五「跡先に斑猫暑き山路かな〈居士〉」
評判記・もえくゐ(1677)「上らうははんめうよりもおそろしく、ひさうせきよりも大どくなりと」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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