斗帳(読み)トチョウ

デジタル大辞泉 「斗帳」の意味・読み・例文・類語

と‐ちょう〔‐チヤウ〕【斗帳/戸帳】

帳台の上を覆う布、また神仏を安置した厨子ずしがんの前などにかける小さなとばり金襴きんらん緞子どんすあやにしきなどで作る。ますをふせたような形をしているのでいう。

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精選版 日本国語大辞典 「斗帳」の意味・読み・例文・類語

と‐ちょう‥チャウ【斗帳・戸帳】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 帳台の四隅に柱を立て天井を組んで、そこから八条の布を垂らして帳台を囲んだもの。高さ八尺、方一丈内外のものが多い。普通、母屋中央南面して設ける。
    1. [初出の実例]「斗帳 斗帳一具。高八尺」(出典:延喜式(927)一四)
  3. 神仏の厨子(ずし)の上などに垂れる小さな帳(とばり)
    1. [初出の実例]「願書とおぼしきもの、斗帳の紐に結びつけたれば」(出典:東関紀行(1242頃)橋本より今の浦)
    2. 「木像の元に参り、戸帳(トチャウ)をまくりて、もったいなくもしゃく尊に乗移れば」(出典:談義本・当世穴穿(1769‐71)二)

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普及版 字通 「斗帳」の読み・字形・画数・意味

【斗帳】とちよう(ちやう)

漏斗状のかや。〔玉台新詠、焦仲の妻の為に作る〕詩 紅羅の複斗帳 四角に香(かうなう)垂る 箱奩(さうれん)六七十 の絲繩(しじよう)~留待して施(ゐし)(かたみ)と作(な)す 今に於て會因無し

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世界大百科事典(旧版)内の斗帳の言及

【帳】より

…壁代(かべしろ),引帷(ひきもの),几帳(きちよう),斗帳(とちよう),軟障(ぜじよう),幌(とばり)など室内で屛障用に用いられる帷(かたびら)の総称。〈とばり〉ともよむ。…

【帳台】より

…個室のようにも使われた。正しくは斗帳(とちよう)という。寝殿造の建物で使われた帳台は,方1丈,高さ1~2尺くらいの台(これが斗帳の台,つまり本来の帳台で,浜床(はまゆか)ともいう)の上に,柱高約7尺の骨組みを立て,天井をのせる。…

※「斗帳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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