特定の目的にあてるための所領。中世,荘園の多くは,年貢・公事(くじ)を特定の行事や堂舎の維持などの料とする名目で立荘された。したがって荘園の大半はなんらかの料所である。寺社領の場合,それぞれの荘園は大仏灯油・御影供(みえいく)・大塔修理などにあてるための料所と位置づけられていた。料所のうち天皇家領の,天皇や上皇の生活の資にあてる荘園はとくに御料所とよばれた。そして,室町幕府・江戸幕府の将軍家の経費をまかなう直轄領や蔵入地(くらいりち)も同じく御料所と称された。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…当時の史料上に見える言葉で,今日的意味で厳密に使われているわけではない。〈料所幷預地〉と表現している例があり,この場合は直臣に預け置いた所領を料所と区別すべきものと考えていると見られる。また,酒屋,土倉よりの貢納銭である納銭方とか,白布棚,大刀屋座の公事銭なども料所と呼んでいるから,料所=直轄地と言い換えると誤解を生むことになろう。…
※「料所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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