デジタル大辞泉
「斜に構える」の意味・読み・例文・類語
斜に構・える
1 剣道で、刀を斜めに構える。
2 身構える。改まった態度をする。
「風上へ―・え、糸のように目を細くして立ち竦んでいる」〈里見弴・多情仏心〉
3 物事に正対しないで、皮肉やからかいなどの態度で臨む。「世間に対して―・える」
[補説]この句の場合、「斜」を「ななめ」とは読まない。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
しゃ【斜】 に 構(かま)える
① 剣術で、
両手に刀の柄
(つか)を持ち、
剣先をまっすぐ相手に向けないで、ななめに構える。転じて、手にした武器、得物などをななめに持って身構える。
※
咄本・一休咄(1668)一「左には鯉のほそくびひんにぎり、右にはながたなをしゃに
かまへて」
※社会百面相(1902)〈
内田魯庵〉
破調「『短いセレナードでも弾きませう』と叉
(シャ)に構へた弓
(きう)が弦に触るるや否」
② しっかりと身構える。妙に改まった態度をする。おつに気取る。
※浮世草子・傾城武道桜(1705)四「『いざ御立』とこたへしかば、
一角といゑる男しゃにかまへてぞ出でたり」
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)四「湯どのより出づるらう下の中の間に、しゃにかまへたる彼の鬼兵衛」
③ まっすぐなものに対して、ななめに交差する。
※
草枕(1906)〈
夏目漱石〉一二「只真直
(まっすぐ)な短い枝に、真直な短い枝が、ある角度で衝突して、斜に構へつつ」
④ 物事に正面から対処しないで、皮肉、からかい、遊びなどの態度で臨む。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報