新世界(大阪市)(読み)しんせかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「新世界(大阪市)」の意味・わかりやすい解説

新世界(大阪市)
しんせかい

大阪市浪速区(なにわく)恵美須東(えびすひがし)、市立天王寺公園の西に隣接する歓楽街。1903年(明治36)開催の第5回内国勧業博覧会場跡地を、1909年東半部を天王寺公園に、1912年西半部を大阪土地建物会社経営の新世界として開発した。中心にはパリのエッフェル塔を模倣した通天閣(つうてんかく)(75メートル)を建て、放射状計画街路の娯楽場(ルナパーク)を設けた。一帯には映画館、噴泉浴場、飲食店などが集中、一大歓楽街として繁栄を誇った。第二次世界大戦で戦災を受けて荒廃戦後、通天閣(103メートル)を再建、復興を図ったが、ミナミの繁栄に押されて昔日のおもかげは薄れた。林芙美子(ふみこ)の小説『めし』や、歌謡曲『王将』の舞台として庶民に親しまれている。

[位野木壽一]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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