知恵蔵2010の解説
元来ニワトリ、カモ、ガチョウなどの鳥類に感染するインフルエンザウイルスがヒトに感染し、さらにヒトからヒトに感染するようになると想定されたインフルエンザウイルス。現在のところ、新型インフルエンザウイルスは確認されていない。1997年から98年にかけて、香港で血清型がH5N1のトリ・インフルエンザウイルスがヒトに感染した事例が報告された。また、2004年以降、アジアを中心として、トリ・インフルエンザウイルスのヒトへの感染が絶えず続いていて、いつ新型インフルエンザウイルスが出現してもおかしくない状態にある。このため、政府や自治体では行動計画書を作成し、種々の対策を立てている。もし、新型インフルエンザウイルスが出現すれば、国内で約2500万人の感染者と20万人近い死亡者が出ると推定されている。対策として、鳥インフルエンザのサーベイランスの実施、予防と封じ込め対策、接触者の特定などの蔓延防止対策、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄、新型インフルエンザウイルスに対するワクチンの開発、患者発生時の医療体制の確保などがある。
(
今西二郎京都府立医科大学大学院教授
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出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2007」
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