新生児溶血性疾患(読み)しんせいじようけつせいしっかん

世界大百科事典(旧版)内の新生児溶血性疾患の言及

【血液型】より

…たとえばRh-の女性がRh+の子を妊娠し,しかも母であるその女性の血漿中に強い抗Dが存在していると,(1)その抗体が胎盤を通って子の血流中に移行し,(2)それが子の赤血球にあるD抗原と反応して,(3)その結果子の赤血球がはやく壊れる(溶血)ようになる。このような状態を新生児溶血性疾患といっているが,近ごろではRh-の女性がRh+の血液を輸血されることがほとんどなくなったので,抗Dによる子の重症の溶血性疾患は激減した。Rh-の母が輸血を受けていなくても,最初のRh+の子を妊娠・分娩したときの刺激で抗Dが産生されるようになり,その影響が第2子に及ぶこともあるが,その場合の抗体産生率はわずか5~6%で,それも弱いものであることが多い。…

【交換輸血】より

…ヒトの血液内にある有毒成分を急激に体外へ排除するために,その血液を抜き取り,新しいよい血液を輸血する治療法。最も有名なのは,Rh式やABO式血液型不適合妊娠によっておこる胎児・新生児溶血性疾患のときに行われるもので,これは出生後すぐに臍(さい)静脈(へその中にある静脈)を使って黄疸色素のビリルビンや血液型不適合妊娠のためにできた抗体を含んだ血液を除去するために行われる。この治療により,新生児の脳組織における黄疸,すなわち核黄疸の発生を防止し,脳性麻痺から守ることができる。…

※「新生児溶血性疾患」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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