新町通(読み)しんまちどおり

日本歴史地名大系 「新町通」の解説

新町通
しんまちどおり

平安京開設当初に開かれた町尻小路まちじりこうじにほぼ該当。上・中・下京南北貫通。「坊目誌」に「北は鞍馬口上る、愛宕郡上賀茂村境に起り、南は三哲通に至る」とある。

平安京における町尻の名称は「拾芥抄」に、本小路の近衛大路・中御門大路間方四町の地に修理職しゆりしき町が記され、その北端に町口、南端に町尻とある。修理職は、弘仁九年(八一八)、宮城の修理事業一切をつかさどる令外りようげの官として設定されたもので、修理職町には規定の職員のほか、算師・木工・檜皮工・瓦工・石灰工などの工員が数多く所属し、当時設定されたくりや町のなかでは代表的な町。それらの工員が、この修理職町の門前、つまり町口と町尻に通る道路に南北に長く延びるような形で居住し、そのことが商業発展につながっていったことから、後に本通が町尻小路、あるいは単に町小路とよばれるようになったと推察される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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