新疆天山(読み)しんきょうてんざん

世界遺産詳解 「新疆天山」の解説

しんきょうてんざん【新疆天山】

2013年に登録された世界遺産(自然遺産)。天山山脈は、全長2500km、幅300kmの大山脈で、中国とキルギスの国境にあり、標高7439 mのポベーダ山やカザフスタンとキルギスの国境にある標高7010 m のハン・テングリなどの高山が連なる。新疆ウイグル自治区天山の山々は、雪に覆われ、頂上氷河を冠した姿が壮観で、原生林草原シルダリヤ川タリム川をはじめとする清流や湖、赤色岩層を特徴とする渓谷などが美しい景観をつくっている。この地域は、地質時代の鮮新世(500万年前~258万年前)から変わらぬ地形が保たれ、生物学的・生態学的な独自の進化が今も継続され、古来の植物種の貴重な生息地であり、絶滅が危惧される種も多い。さらに南には、広大な砂丘と大規模な砂嵐で知られる世界有数の砂漠、タクラマカン砂漠が広がり、灼熱と寒冷、乾燥と湿潤、荒涼と豊穣(ほうじょう)が見事なコントラストをつくり、他に例を見ない壮絶な景観をなしている。◇英名はXinjiang Tianshan

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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