施す(読み)ホドコス

デジタル大辞泉 「施す」の意味・読み・例文・類語

ほどこ・す【施す】

[動サ五(四)]
1 恵まれない人に物質的な援助を与える。あわれみの気持ちで、人が困っている状態を助けるような行為をする。恵み与える。「難民に食糧を―・す」「医療を―・す」「恩恵を―・す」
2 飾りや補いのために何かを付け加える。「細工を―・す」「花木に油かすを―・す」「撥水加工を―・したスーツ」
3 効果・影響を期待して、事を行う。「策を―・す」
4 事態を改善するようなことを行う。「―・すすべもない」
5 (「面目をほどこす」の形で)あることを立派になしとげて高い評価を保つ。「仕事を成功させて面目を―・す」
6 広く行きわたらせる。
「いよいよ頼朝、権を―・して」〈増鏡・新島守〉
7 種などを蒔まく。
「八十木種やそこだねに、皆能く―・し生ううとのたまふ」〈神代紀・上〉
[可能]ほどこせる
[類語]与える・授ける・恵む・やる・あげる・差し上げる・くれる・くださる・賜る・供する・供与・提供・授与・恵与・行う

せ・す【施す】

[動サ変]ほどこす。施行せぎょうする。
「檀特山に入るとも、兼雅らけだものに―・すべき身かは」〈宇津保・俊蔭〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「施す」の意味・読み・例文・類語

ほどこ・す【施・播】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙 ( 「ほどこる」の他動詞形 )
  2. ① 広い範囲にゆき渡らせる。あまねく及ぼす。
    1. [初出の実例]「世界に名をほどこして」(出典:宇津保物語(970‐999頃)あて宮)
  3. ② 人々の前にあらわし示す。公衆に示す。
    1. [初出の実例]「無縁の大悲は至感の者に異形を播(ホドコス)。〈真福寺本訓釈 播 保度許須〉」(出典:日本霊異記(810‐824)下)
  4. ③ 他の人のためにある事を行なう。
    1. [初出の実例]「もろもろの事ほどこして聞かせ奉りぬ」(出典:古今著聞集(1254)六)
  5. ④ 飾ったり補ったりするためにあるものを付け加える。
    1. [初出の実例]「塩州の曲を将(も)て歌詞に播(ホトコシ)作(つく)り」(出典:白氏文集天永四年点(1113)三)
  6. ⑤ 恵み与える。あわれんで与える。
    1. [初出の実例]「妙る宝を貧き人に分ち施し」(出典:観智院本三宝絵(984)序)
  7. ⑥ 種などをまく。
    1. [初出の実例]「穀稼時に播(ホドコシ)て、宿麦滋く豊かなり」(出典:大唐西域記巻十二平安中期点(950頃))
  8. ⑦ 事態の改善や効果・影響などを期待して、ことを行なう。
    1. [初出の実例]「之を乾固し能く防腐剤を施して永く保存すべし」(出典:小学読本(1884)〈若林虎三郎〉五)
    2. 「君にさへ僕と同様の警戒を施(ホドコ)してゐたかも知れない」(出典:開化の良人(1919)〈芥川龍之介〉)

せ‐・す【施】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙 金品を他に与える。ほどこす。施行(せぎょう)する。供養する。
    1. [初出の実例]「財はただ施する人のみ福をう」(出典:観智院本三宝絵(984)下)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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