施・播(読み)ほどこす

精選版 日本国語大辞典 「施・播」の意味・読み・例文・類語

ほどこ・す【施・播】

〘他サ五(四)〙 (「ほどこる」の他動詞形)
① 広い範囲にゆき渡らせる。あまねく及ぼす。
※宇津保(970‐999頃)あて宮「世界に名をほどこして」
② 人々の前にあらわし示す。公衆に示す。
※霊異記(810‐824)下「無縁大悲は至感の者に異形を播(ホドコス)。〈真福寺本訓釈 播 保度許須〉」
③ 他の人のためにある事を行なう。
古今著聞集(1254)六「もろもろの事ほどこして聞かせ奉りぬ」
④ 飾ったり補ったりするためにあるものを付け加える。
※白氏文集天永四年点(1113)三「塩州の曲を将(も)歌詞に播(ホトコシ)(つく)り」
⑤ 恵み与える。あわれんで与える。
※観智院本三宝絵(984)序「妙る宝を貧き人に分ち施し」
⑥ 種などをまく。
※大唐西域記巻十二平安中期点(950頃)「穀稼時に播(ホドコシ)て、宿麦滋く豊かなり」
⑦ 事態の改善や効果・影響などを期待して、ことを行なう。
小学読本(1884)〈若林虎三郎〉五「之を乾固し能く防腐剤を施して永く保存すべし」
開化良人(1919)〈芥川龍之介〉「君にさへ僕と同様の警戒を施(ホドコ)してゐたかも知れない」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android