旅客機(読み)リョカッキ(その他表記)passenger plane

精選版 日本国語大辞典 「旅客機」の意味・読み・例文・類語

りょかっ‐きリョカク‥【旅客機】

  1. 〘 名詞 〙 主として旅客を輸送するための飛行機。りょきゃっき。
    1. [初出の実例]「ジャイアント旅客機(リョカクキ)は大空運輸会社の定期航空路欧羅巴に向って飛行した」(出典:新種族ノラ(1930)〈吉行エイスケ〉断髪女を連れて航空港をご出発)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「旅客機」の意味・わかりやすい解説

旅客機
りょかくき
passenger plane
transport

主として旅客を運ぶことを目的として開発・製造・運用される航空機。胴体に固定の主翼尾翼を取り付けた飛行機をさすことが多く、法的にも開発時に製造事業者が型式証明を、運航時に運航事業者などが耐空証明を受けることを要する。1950年代の航空機エンジンのジェット化とそれ以降の効率化により、現在の旅客機は巡航高度では音速の8割程度(時速900キロメートル前後)で飛行する。音速以上で飛ぶ超音速旅客機もあるが、一般的な旅客機で音速に到達しようとすると空気抵抗が急増するなどの問題があるため、翼の後退角を大きくするなど、異なる設計が必要となる。旅客機は速度や航続距離、乗員数といった基礎的な性能諸元を満たすように設計・開発され、操縦系統のほか、客室内空調装置、与圧装置、緊急時のための非常口や装備品などを設けている。エンジンは2基搭載されている機体が近年の主流であり、万一片方のエンジンが停止(片肺停止)した際でも、一定時間飛行を続け、緊急着陸を行うことができる機体が国際的な認定を受けている。

 現在ではエンジン2基の機体が長距離便での主力になっているが、かつてエンジンの信頼性が低かった時代には3、4基のエンジンをもつ機体が長距離を運航した。安全面の担保としては、エンジンばかりでなく、操縦系統などの冗長化故障などに備え予備を設けること)、航法装置の多重化、避難経路の確保などが図られている。現在の航空機の形状は主翼・胴・尾翼・推進器(エンジン)からなるのが一般的であるが、関連学術界では航空機騒音の低減や燃費の向上、持続可能な燃料の利用など環境性能に着目した研究も盛んであり、尾翼を廃した翼胴融合形状や、推進器を機体上方に配置した形状などが将来型機として提案されている。

[金崎雅博 2025年12月16日]

『李家賢一著『航空機設計法――軽飛行機から超音速旅客機の概念設計まで』(2011・コロナ社)』


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百科事典マイペディア 「旅客機」の意味・わかりやすい解説

旅客機【りょかくき】

民間商業輸送機のうち主として人の輸送を目的とするもの。飛行機による定期旅客輸送は1914年に飛行艇を利用して始まり,以後航空輸送の発達とともに,しだいに大型の輸送機がつくられ,1950年代にはジェット旅客機も登場した。1970年代に入ると広胴型のジャンボジェットが就航,旅客機での大量輸送時代に入った。また一方でスピード化の時代にもなり,超音速輸送機SSTも実用化された。第2次大戦後日本で開発したものにYS11がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「旅客機」の意味・わかりやすい解説

旅客機 (りょかくき)

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世界大百科事典(旧版)内の旅客機の言及

【輸送機】より

…航空会社などで使われる民間輸送機(商用機ともいう)transportと,軍で使われる軍用輸送機carrierとがある。
[民間輸送機]
 民間輸送機は,主として旅客の輸送を目的とする旅客機と貨物の輸送を目的とする貨物機に大別されるが,大半は旅客機で,貨物機は旅客機として設計された機体の改造型が多い。旅客機にも一般に客室の床下に貨物室があり,乗客の手荷物のほかに貨物も積むが,貨物機は床上も貨物室とし,大型の貨物ドアをつけている。…

※「旅客機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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