日本宇宙少年団(読み)にほんうちゅうしょうねんだん(英語表記)Young Astronauts Club-Japan

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本宇宙少年団」の意味・わかりやすい解説

日本宇宙少年団
にほんうちゅうしょうねんだん
Young Astronauts Club-Japan

宇宙をテーマに、日本の子どもたちの科学教育や国際交流を推進する公益財団法人。英語の頭文字をとってYACと略称する。アメリカ宇宙少年協会をモデルに、つくば科学万博記念財団が中心となって1986年(昭和61)に設立。宇宙をテーマに、科学工作・実験、天体観測、施設見学などの学習・体験プログラムのほか、水ロケットコンテスト、種子島(たねがしま)やつくば市などでのキャンプ、宇宙飛行士との交流、国際交流、宇宙情報誌の編集・発行、ウェブによる宇宙情報・知識の普及・啓発などに取り組んでいる。発足後すぐに国際宇宙少年団機構(YAI)に加盟。2007年(平成19)には、宇宙航空研究開発機構JAXA(ジャクサ))と宇宙教育活動に関する連携協定を締結した。発足時は科学技術庁所管の財団法人だったが、2012年に公益財団法人(内閣府所管)となった。2023年(令和5)時点で、子どもやその家族などの団員(年齢制限なし)数は約3000人(累計約2万人)、活動を支援するボランティア指導者(リーダー、18歳以上)は約800人。運営財源は団員の会費、航空宇宙関連企業などからの賛助会費、寄付金、補助金などである。トップは理事長職で、初代理事長は旧通商産業省OB(元科学技術庁局長)だったが、レジャー施設「高崎アストロパーク構想」が挫折(ざせつ)するなど運営がうまくいかず辞任し、第2代理事長に漫画家松本零士(れいじ)(本名松本晟(あきら)。1938―2023)、第3代に元宇宙飛行士の山崎直子(1970― )がついた。本部は東京都千代田区神田錦町で、全国に約140の分団(休団中含む)がある。

[矢野 武 2023年8月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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